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ラインの外から吠えても意味がない。その2

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毎日暑くなりましたね。

先日は都内で大雨があり、ずぶ濡れになりました(^^)

お世話になっているクライアントの記者発表があったので焦りました。

タレントのSHELLYさんやノンスタイル井上さんが登場するとてもユニークな記者発表で、SHELLYさんのクレバーさには感動しました。

会場の空気を読んでクライアント様を上手に宣伝する手腕は、頭の良さがなければできません。

テレビで拝見するSHELLYさんはさりげなく司会進行をしているように見えますが、実際は最適なタイミングで最適な言葉を選んでいるのです。

実に勉強になりました。

「マスメディアとの付き合い方」というテーマを次回お話いたします。

今日は、大反響をいただいた前回のつづきです。

今回も超長文です。

■ 正しい「考え」は、必ず困難を突破し、社会を変えていく

前回は、私が法律を変えた話をさせていいただきました。

ラインの外から吠えても意味がない。その1
https://suzuryou.com/?p=991

大変な反響で、「そんなことができるとは思いもしませんでした」という声が多かったですね。

そんなことができるわけがない、と多くの人が考えるから、そんなことが滅多に起きないのです。

前回もお話ししましたが、中央突破しない人ほど、外野で吠えています。

私が法律を変えるべく乗り込んだ総務省の外では、何やら大声で吠えている団体がいました。

仰々しく拡声器を使い大音響で何かを主張していました。

私はふと疑問に思ったのです。

「彼らは中央突破しようと考えないのだろうか??」

私は義憤に駆られて中央突破し、総務省の担当課長と話をしている。

当時は無名で力もなかった私が、正しいと信じる「考え」だけを持って乗り込んだのです。

外野で吠えることは、それに比べれば100倍も簡単です。

なぜ彼らは安易な方を選ぶのだろうか、と。

もちろん、動いた結果、埒が明かないためにそうしているのかもしれません。

しかし、中央突破しない限り、外部で吠えても、責任者は痛くもかゆくもないのです。

動くまで扉をたたき続けるしかないのです。

外野で吠えることは、社会を動かすには余りにも無力です。

社会を変えるには、自分を信じて、不可能と思えることでもぶつかっていくしかありません。

外野で吠えるという意味では、前回お話した「起業塾に通い続ける人」にも同じことが言えます。

いくら学校に通い、勉強し続けたとしても、現実世界では何もしていないのです。

そのうえ、社会への悪口や起業家の批判をしても虚しいだけです。

それが「痛い」ことだと感じないから、ずっと同じことを続けることになります。

ここで、私がネクタイ業界を救済しようとした話をしましょう。

今から数年前の話ですが、クールビズでネクタイが売れなくなった、というニュース記事をみました。

私はなぜか「ネクタイ業界を救いたい」という気持ちが沸き起こり、すぐに行動に移しました。

誰に依頼されたわけでもありません。

あくまでも私個人的な強い思いで動いたのです。

ネクタイ協会のトップの方にアポイントを取り、現状をまずお聞きしました。

想像以上にネクタイ業界は打撃を受けており、打つ手が見えないということでした。

クールビズを管轄するのは内閣府ということで、今度は内閣府に乗り込みました。

内閣府の担当者に会い、ネクタイ業界を救済できないのか、ということを尋ねました。

政府が積極的にすすめるクールビズを中止することもできず、社会もこれを支持していたため何もできない、という反応でした。

事実、クールビズを始めた小泉政権は国民の圧倒的な支持があり、当時の小池百合子大臣が進めていたクールビズは大好評でした。

小売業界もクールビズ商品を次々に市場に送り込んでおり、新たな産業を創造しているという一面もあったのです。

もはや社会の大きな流れになっていることを確信した私は、ネクタイ業界が自助努力で再生していくしかないという結論に至りました。

その後、ネクタイ業界のトップ企業の社長と懇意になり、この会社のコンサルを引き受けることになりました。

私のコンサルの師匠にこの会社のコンサルをお願いしつつ、私はネクタイのクールビズ仕様のアイデアを考えることにしました。

全国から新しいネクタイのアイデアを募り、ネクタイ業界に所属する全ての会社に100近くのアイデアを無償で供給させていただきました。

私は完全にボランティアで動いたのです。

なぜ私はこんなことをしたのでしょうか?

ただ、これが「正しい」と信じていたからです。

実際に、私が「正しい」と信じて動いたことに、ネクタイ業界も反応しました。

内閣府の担当者も私に会わざるをえなくなりました。

ニュース記事をみて動いた一個人に、大きな社会の枠組みが反応したのです。

前回お話した「私が法律を変えた話」の経験から、私には信念がありました。

正しい「考え」は、必ず困難を突破し、社会を変えていく

この考えは今でも変わりません。

さて、ネクタイ業界を救うために動いたことは、結果どうなったのでしょうか。

結論を先に言えば、ネクタイ業界はますます衰退していった、のです。

世間は「クールビズ=ノータイ」という考えを受けれ、ネクタイを外すビジネススタイルが一般的になっていきました。

現在は、最盛期の3分の1の生産量にまで落ち込んでいます。

では、私が行ったことは無駄だったのでしょうか?

そうではありません。

私が提供した100のアイデアから実施に商品化されたものが誕生し、ある会社のヒット商品にもなりました。

クールビズでもネクタイを売れることを証明することができました。

しかし恩恵を受けたのは一部の会社のみでした。

業界全体が新商品を開発する精神的余裕もなくしており、もはや私の力ではどうすることもできない流れとなっていたのです。

私のように「何が何でも突破しよう」と考える経営者は少なかったのです。

業界全体が再生のメンタルを失っていることを見極めた私は、もはや撤退の時期と考え、プロジェクトも中止しました。

そもそも私が個人的な思いから進めてきたプロジェクトです。

受け入れる精神的土壌がなければ撤退しかないのです。

■ ビジネスは生き残った方が勝者 大きな流れに乗ることの大事さ

ネクタイ業界救済のために動いた結果、私は内閣府との接点ができるようになりました。

ネクタイ業界救済から撤退した私に、今度は内閣府からお声がかかり、クールビズ推進プロジェクトへの参画をお願いされました。

クールビズでは、沖縄伝統の「かりゆしウェア」を普及するプロジェクトが動いていました。

沖縄産業振興の一環でもあり、あらたな産業を創造するプロジェクトだったのです。

私は沖縄の産業振興というテーマに共感し、お手伝いさせていただくことになりました。

「かりゆしウェア」をどのように普及させていくかというテーマでアイデアを提供し、政府の閣僚全員が「かりゆしウェア」を着用することなど、数々のアイデアを実現していきました。

そもそも最初はクールビズに対抗したはずの者が、今度はクールビズの推進側に回るとは節操がない、と思われるかもしれません。

しかし、それは違います。

ビジネスの世界は、シビアな世界です。

生き残った者が勝ち、というシビアな世界です。

ビジネスで生き残るとは、多くの人に受け入れられる、ということを意味しています。

ビジネスの勝負は、消費者であるお客の審判で決まるのです。

そういう意味で、クールビズは社会に受け入れられ、ビジネスの世界でも勝者となっていました。

抗しがたいトレンドは、もはや社会が作っており、社会全体の価値観となっていたのです。

私は単純に勝ち馬に乗ったのではなく、このシビアな現実を受け入れ、支持される新しい価値を創造することを選んだのです。

クールビズに関わった経験は、私の社会的価値観を大きく変えるきっかけとなりました。

社会で受け入れなくなったものの衰退は必定であり、どの道を選ぶかで、未来が大きく変わってしまうということです。

あなたも、時代や社会を正しく読むことを忘れないでください。

社会が変革して行くとき、自分の考えに囚われすぎると、社会から受け入れられなくなることもあるのです。

もちろん、社会がどんなに変わっても不変なものはあります。

しかし、ビジネスの世界や、シビアな社会の現実の中では、自分の考えを変えなければならないタイミングもあるのです。

脱皮できない蛇は死ぬ、と言いますが、脱皮できない人間もまた死ぬのです。

■ 閾値(しきいち)を超えることの大事さ 1%アクションとは何か

前回もお話ししましたが、自分の限界を超えるためには、1%アクションを続けていくしかありません。

馬鹿にされるような1%アクションの積み重ねが、ある閾値を超えると忽然と大きな変化を生み出すのです。

温め続けられた水が、閾値、つまり100度を超えた瞬間から水蒸気という全く別の状態に激変するように。

コーチングをさせていただくとこのような質問によく出会います。

「1%アクションをしようと思うのですが、なかなか行動できないのです」

あなたなら、この質問にどのように答えますか?

私の答えはこうです。

「それは1%アクションではありません。100%アクションです」

多くの人が、従来の目標達成技術の呪縛に縛られています。

自分が動けもしない目標を掲げ、それができないと嘆いているのです。

1%アクションとは、あなたが今この瞬間にできる小さな行動のことをいうのです。

メールを出す  移動する  片づける  調べる  声をかける

敷居を可能な限り下げ、今この瞬間にできることをすれば良いのです。

今この瞬間にできないのならば、それはまだ敷居が高いのです。

先日、ダイエットをしている女性からこんな相談を受けました。

「1%アクションで、毎日食べているお菓子を一個だけ食べないようにしようとしたのですが、どうしても食べてしまいます。どうすれば1%アクションできるのでしょうか?」

私がどう答えたと思いますか?

私はこう答えました。

「お菓子一個が100%アクションなのです。
 お菓子一個の“一かけら”を残すことはできるでしょう。
 あとは全部食べていいので、“一かけら”だけ残してください。
 できますか?」

と。

女性は「それならできます」と笑顔で答えました。

さらに私はこう言いました。

 「今日“一かけら”できたら、明日はもう少し大きな“かけら”を残してみましょう。少しづつ大きくしていって、一個残せるようになりますよ」

これが1%アクションなのです。

彼女は「お菓子一個」が1%アクションだと思い、それが実行できませんでした。

実行できないということは、それが1%アクションではないということです。

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多くの人が、自分の今のキャパを大きく見過ぎているのです。

まずは小さな小さな一歩を踏み出すことを心掛けてみてください。

その一歩ができたら、次の一歩を大きくすればいいのです。

それが本当の、自分へのチャレンジなのですから。

この1%アクションが重なっていくと、ついには閾値を超え、大きな変革が自然に発生していきます。

それはあなた自身が想像もしなかったスケールで動き始めるのです。

あなたの1%アクションチャレンジを、私はいつも応援します。

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この記事を書いた人

思考力研究所所長、ビジネス・コーチ、ビジネスプロデューサー、一般社団法人「日本経営コーチ協会」アドバイザー
著書:100の結果を引き寄せる1%アクション他多数

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