言った方は忘れてる、言われた方は一生覚えている。
これは人間関係問題の最大の原因です。
コーチング(特に女性)を行っていますと、高い頻度で母親との関係の問題を相談されます。
「子供の頃母親から○○と言われた。それがずっと頭によぎって動けなくなるのです」
30歳であろうが50歳であろうが、ずっとこのような悩みを抱く人は多いのです。その意味でも、親の影響力は絶大で、人の一生を縛る力を持っています。
コーチングの現場では、この母親の言葉は“うっかり”言ったものであり、本人はさっぱり忘れている、という事実を認識してもらうように誘導します。
実際、言った本人はすっかり忘れており、「そんなこと言うはずがない」とまで言うものです。
しかし言われた側はずっと頭の中で反芻し、毎日のように言われているような錯覚に陥り、自分の人格形成を決定的にしていまうのです。
言った人は数回しか言ってなくても、言われた側は頭の中で数千回数万回も反芻してしまい一生忘れません。
一方、言った人は一日1秒も考えていません。
これは親子関係だけではありません。
普通の人間関係でも、「言った方は忘れてる、言われた方は一生覚えている」ことが頻繁にあり、それが原因で人間関係がうまくいかなくことが多いのです。
上司と部下の関係でもしかり。
言った方は忘れている、という事実を知れば、言われたことを思い出して頭の中で反芻することが「馬鹿馬鹿しい」と思えるようになります。
人は“しっかり”した存在ではく、“うっかり”した存在です。
誰しも、“うっかり”人を傷つけることを言ってしまうものです。
あなたも私もあの人も。
だから、「そんなものだ」と思いつつ、言われたことをすっかりさっぱり忘れる習慣を持つことが、幸せなマインドを生み出すのです。