鈴木領一プロデュース 本と映画のレビュー共有SNS ススメル ▶

私が絶望と死の淵から生還した話

こんにちは、すずりょうです。

前回、「モヤモヤ悩む人は得をする」というお話をしました。

最近の大学などの研究結果から、

「早く結果を出そうとする人よりも、モヤモヤ悩みながら耐えた人が、クリエイティブなアイデアを見つける」

ということが分かってきました。

これをネガティブ・ケイバビリティといいます。

今日は、この関連で、私の壮絶な経験を語りたいと思います。

拙著『100の結果を引き寄せる1%アクション』にも書いていますが、

私が死ぬ直前の経験した話です。

私は大学を辞めて、九州から一人で東京にやってきました。

誰も知り合いがいない、大都会の中で、右も左も分からない。

これからどうすればいいかも分からない。

どう見てもマイナスのスタートでしたが、無謀にも、自営を始めました。

ある企業の代理店になって、たった一人で営業を始めたのです。

しかし、一度も社会人経験もなく、ましてや名刺の渡し方も分からないド素人、

しかも、もともとコミュ障だったので、人と話しもろくにできない。

当然、売上げも上がらず、お金はあっという間に底をつき、

食事も取ることができず、空腹で幻覚も見るようになりました。

アパートの家賃も払えず、ついには、電気料金も払えなくなってしまいました。

絶望のどん底です。

なんとかお金を借りて、電気だけ繋がったある日、

私の目の前に、真っ暗なトンネルが現れたのです。

電気がついて、明るくなったはずの部屋の中に、真っ暗なトンネルが。。

そのトンネルは、最初は小さかったのですが、どんどん大きくなり、私を包み込むようになりました。

何度も瞬(まばた)きをしましたが、間違いなく、目の前に真っ黒なトンネルがあるのです。

その時、私は、死の世界が私を呼んでいる、と感じました。

不思議に、死に対する恐怖感もなく、逆に死へと無意識に向かっていたと思います。

もし、その場所が部屋でなかったら、、

駅のホームや、ビルの屋上だったら、そのまま歩くように前に出て、無感覚で死んでいたと思います。

しかし、その時、唐突に、私の耳元で、誰かの声が聞こえました。

とても強い声でした。

その声は、こう言っていました。

「失ったものを数えるな、得たものを数えろ」

私は驚き、気が付くと真っ暗なトンネルが消えていました。

ギリギリで、私は正気に戻ったのです。

私は急いでノートを取り出し、私が得ているものを書こうとしました。

ずっと考え続けて、ようやく私が書いたのが、

「私は生きてる」

でした。

何もない自分に、唯一あったのは、「命」だけでした。

でも、とてつもない大きな「得ているもの」でした。

この一文を書いた瞬間から、冷え切った私の体から、少しずつ暖かい何かが湧いてくるのを感じました。

次に私は、

「私には手がある、足がある」

と書き始め、次々に「得ているもの」を書き続けたのです。

「まだアパートにいる」

「電気がついた」

「体が動く」

 ・・・・

とてもバカバカしい内容でしたが、たったこれだけで、私は前向きになっていったのです。

この経験は、私に大きな転機をもたらしました。

その後、数日、部屋にこもって、これから何をしたいかを考えました。

「本を書きたい」

「テレビに出たい」

「彼女を作って、結婚したい」

当時の私にとっては、夢のようなことばかり書きました。

何をすればいいのか分からないまま、ずっと、私がやりたいことをノートに書いていったのです。

私ができることは、それしかありませんでした。

でも、それが私をどんどん元気にさせていきました。

先のことは全然分からなかったのですが、なぜか前を向いて行けばなんとかなる、と思ったのです。

その後、5年以内に、私がノートに書いたことは、次々に実現していきました。

ノートに書いたときには、それを実現するのにどうすればいいか、全く分かりませんでした。

偶然や奇跡的な出会いが次々に起こり、私の人生を完全に変えてしまったのです。

今振り返ると、死を覚悟するような絶望的な体験をしたことで、すぐに答えを出すようなことをせず、

じっくりと時間をかけて、夢に向かっていこうという心構えができたように思います。

一度死んだ身だから、死んだつもりで、目の前のことに集中していこう。

何をどうすれば良いか分からないけど、夢の方向に顔を向けて、考え続けよう。

辛いことはいつか終わる。そう信じよう。

そう考えていました。

これが、現在で言う「ネガティブ・ケイパビリティ」だったのだと思います。

それまでの私は、すぐに結果を出そうとして焦り、その焦りが私を追い詰めていました。

状況が追い詰めていたのではなく、私自身が私を追い詰めていたのです。

その呪縛から自分自身を解放し、時間をかけていこうという思考に切り替えた時、

私の中から行動のためのアイデアが出てくるようになったのです。

あなたも、もしかしたら、辛いことに遭遇しているかもしれません。

その真っ只中にいるかもしれません。

でも、大丈夫です。

すぐに答えを出そうとせず、時間を味方にして、自分を信じて、前進してください。

そうすると、必ず、状況が変わっていきます。

それはとても小さなものかもしれません。

しかし、それが1%ずつ積み重なって、大きな変化をもたらすのです。

あなたが、絶望している時、

あなたも、この言葉を思い出してください。

 「失ったものを数えるな、得たものを数えろ」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

思考力研究所所長、ビジネス・コーチ、ビジネスプロデューサー、一般社団法人「日本経営コーチ協会」アドバイザー
著書:100の結果を引き寄せる1%アクション他多数

■御連絡はこちらからどうぞ

目次