※本原稿は、プレジデント誌2014年9月29日号に掲載されました。
マッキンゼーは2001年、『The War for Talent』という書籍で21世紀の人材獲得競争社会を予見し、「ダイレクト・リクルーティング」の重要性を説いた。
ダイレクト・リクルーティングとは、企業が人材紹介会社などに任せず、自ら人材探しを行う採用手法のこと。米国では03年にLinkedInがサービスを開始すると、企業が登録者のプロフィールを見て直接アプローチする方法が定着。11年にはコカ・コーラ社幹部の約95%をダイレクト・リクルーティングによる転職者が占めるほどになっている。
日本ではまだ人材紹介会社に任せる手法が主流だが、09年にダイレクト・リクルーティングのプラットフォーム事業を開始したビズリーチが、わずか5年で人材登録者33万人、利用企業2300社へと急成長。同社の事業部長・多田洋祐氏によると、日本の大企業もこの採用手法に急速にシフトし始めたという。
「日本でも人材獲得競争が激しくなりつつあり、競争に勝つためには社内に採用ノウハウを蓄積することが重要となってきている」(多田氏)
積極的に優秀な人材をヘッドハンティングしたサムスンが日本メーカーのマーケットを奪っていったように、人材獲得競争はグローバル化している。日本企業復活の鍵として、今後注目されていくだろう。