※本原稿は、Business Journal 2013年1月11日号に掲載されました。
累計100万部を超えるベストセラー作家の山崎拓巳氏。20代に100の目標を設定し、そのことごとくを実現し、作家だけでなく、会社3社を運営する事業家としても活躍。加えて、ニューヨークで個展を開くなど画家としても、さらに映像作家や旅人などとしても幅広くチャレンジ中。
成功するには「どんどんやりたいことを始めること」という山崎氏。「はじめるのが恐ろしい人とは、やめることが恐ろしいと考える人」という主張は、まさに「1%アクション」の考え方と同じだ。
本対談では、自分で自分を制限しているリミットを外し、奇跡ともいえる実績を残してきた山崎氏のフレームの変え方を紹介する。
鈴木 このたびは僕の本『100の結果を引き寄せる1%アクション』の帯にコメントを寄せていただいて、ありがとうございました。そんな拓巳さんもちょうど新刊を出されて、タイトルが『がらっと 〜自分の「性格」を思いのままに変える方法』(サンクチュアリ出版)。
山崎 がらっと変わっちゃおう、と。
鈴木 その“がらっと”でいいんですよね。ここでは、全部で56のメソッドを紹介されているのですが、非常に驚いたことに、私が本の中で訴えていることと、かなり重なるんですね。
とても刺激を受けました。なので、今日はこの『がらっと』についても、ぜひお聞きしたいのですが、例えば、僕の印象に残ったくだりのひとつが「性格を変えたいのに、でも変わらない」という場合、そこには“見えない壁”がある、という箇所です。
これがまさに、今回、僕の著書でも「フレーム」として紹介しているのと……。
山崎 そう、まさに「フレーム」なんですよね(笑)。
鈴木 ですので、全体としてもすごく納得しながら読ませて頂いたのですが、拓巳さんがそもそもこの本を執筆されたきっかけというのはなんだったのでしょう?
山崎 そうですね、それは、鈴木さんが今回の本の中で、切々とまさにど真ん中に書かれていることに近くて、つまり、自分の人生を変えようと思った時に、そこには深層意識に確固たる何かがあって、けれど、確固たるものにもかかわらず認識できないものがある、と。それが実は邪魔しているんですよ、と。
しかしながら僕たちはいつも、自分が認識できる表層的な意識だけで、「ああだよね、こうだよね」と変えようとしている。それで、「あぁ、変わらないんだぁ」と思っているけれど、待てよ、と。見えない何かがあるんだな、と。その見えないものに気づくきっかけがあり、ましてやそれが自分の力で変えられるということがわかったことが多々あった――それも1・2・3とパターンがあって変えられるわけではなくて、人によっていろんな変遷の仕方をしていますよね。
そのきっかけになるようなものを世の中に届けられたら、特にこの今の時期には良いんじゃないかと思ったんですよね。
鈴木 たしかに、今は社会全体に元気がないですよね。そこはやはり、もっと元気になってもらいたい、などという思いがあったのでしょうか?
山崎 そうですね、今は“ヒーローなき時代”で、誰もが「この人みたいになりたい」と言って特定の人を目指す時代ではないですよね。つまり、方程式がない。◯◯高校に行って、◯◯大学を卒業して、◯◯会社に入社していれば「特A」で、その下が「A」で……というような時代は、僕たちにはありましたけれど、今はそのサンプル例がなくなっている。
「やりたいことをやったらいいんだよ。そしてそれを成功させていったらいいんだよ」という中で、水を得た魚のようになっている人もいれば、何をしていいかわからず途方に暮れている人もいる。そんな中で、新しい方程式というか、新しい提案が必要な時代なんじゃないかな、と思ったんですね。
鈴木 『がらっと』の中には、従来のような“効率化”などではなく“なめらか化”というような面白いキーワードが出てますよね。
山崎 世の中が提示してくれる「これがいいものだよ」「これが豊かさだよ」「これが幸せでしょう?」というのが、僕らの子どもの頃は合致していたと思うんですね。
言われたように頑張れば、言われたように幸せになれた。だけど、今は個人と社会の価値観が合わなくなってきていますよね? そうすると、自分軸が必要になってきて、そうなると、自分の心って、一体どういうふうにできてるの?ってことになってきます。
その紐解きのためのアプローチがいくつか必要な時代だと思うんですよね。
鈴木 拓巳さんは20代の時に100の目標を立てられて、次々に挑戦されて、今、いろんな分野で成功されていますよね。
以前、拓巳さんにインタビューさせて頂いた際、印象的だったのは、拓巳さんが「はじめるのが恐ろしい人とは、やめることが恐ろしいと考える人」とおっしゃったことでした。
この新刊でも「はじめるのが上手い人はやめるのも上手い人だ」と書いていらっしゃいますよね。
山崎 やってみないと、何が自分に向いているか、わからないですからね。自分が苦手だと思っていたことが実は得意だったり、自分には関係ないと思っていたことが、実はすごく関係していたり……。
山崎拓巳(やまざき・たくみ)
22歳で「有限会社たく」を設立し、現在は3社を運営。これまでに18冊、累計100万部を売ったベストセラー作家。
主な著書に『ひとり会議の教科書』『やる気のスイッチ!』『人生のプロジェクト』『気くばりのツボ』(サンクチュアリ出版)。エッセイスト、画家、イラストレーター、アーティストとしても活躍中のほか、映画監督や、デザインを手掛けたコンテンツ商品の販売、音楽プロデューサーなど、更に幅を広げている。 詳しいプロフィールはこちら。