※本原稿は、プレジデント誌2012年10月15日号に掲載されました。
CDが売れない、DVDが売れない。そんな話を聞くようになって久しい。CDの売り上げは1998年の6074億円から半減。DVD・BD市場は2005年の6702億円から1000億円以上減っている。そんな中インターネット配信は右肩上がりで、さらに最近は定額制配信という新しい形態が出てきた。
動画定額制配信サービス「Hulu」はギャガや円谷プロとも提携を開始。コンテンツの充実に期待。
ソニーは今年の7月3日から定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」を開始。月額1480円でクラウド上にある1000万曲が聴き放題となる。音楽ソフト業界に衝撃を与えた。映像ソフトでは定額制動画配信サービスHulu(フールー)が順調にユーザー数を伸ばしている。
Huluは08年に米国で配信を開始、12年にはユーザー数200万人を突破した。収益も前年比60%増の4億2000万ドル(昨年末)と絶好調だ。日本では昨年9月より開始し急速にユーザー数を伸ばしている(会員数・売り上げは非公開)。成功要因を日本法人広報担当の江原槙子さんはこう話す。
「日本では独自の戦略を立てています。日本人に合わせた映画やテレビ番組を揃え、今年4月に月額1480円から980円に下げたこともよかったようです。今年は夏休みに合わせて、親世代にガッチャマンなどの昔懐かしいアニメ、子供世代にポケモンの配信を始めたことでさらにユーザーが増えました」
HuluはPCやスマホだけでなく、PS3やXbox360、Wii、一部のテレビにも対応し1000本の映画と1万話を超えるテレビ番組が視聴可能だ。さらに今年の9月4日よりアップルのAppleTVに対応した。iTunesアカウントでHuluのコンテンツが月額980円で見放題になる。動画配信ではHuluが台風の目になることは間違いないだろう。
コンテンツ配信はこれから定額制が基本になるかもしれない。電子書籍の定額サービスが誕生する日も近い?