※本原稿は、プレジデント誌2012年8月13日号に掲載されました。
ビジネスマンの英語学習といえば会社帰りに英会話学校に通うイメージがあったが、ここ数年、大変化の兆しがある。インターネット電話SKYPEを利用した、オンライン英会話サービスの登場である。
最大手のレアジョブ社(会員数10万人)が2007年に始めて以来、オンライン英会話会社は急増。いまや100社を超える。英語学習市場は約3000億円。オンライン英会話は約50億円とまだ全体の1.6%だが、市場全体が頭打ちの状況下で前年比30%以上の伸びを示し、今後1000億円市場になると予測されている。
オンライン英会話の費用は月額およそ5000~1万円。通学型学校なら1時間分の個人レッスン料程度だ。これを可能にしたのがフィリピン人教師の存在である。フィリピンと日本の賃金格差を利用し低価格を実現したのだ。
1回25分の講義を毎日受講しても月定額4980円という安さを武器に、わずか1年で売り上げ10倍と急成長しているのがラングリッチ(会員数2万人)だ。ラングリッチホールディングス最高戦略責任者の新村和大氏はその秘密をこう語る。
「通信環境と教師の質の高さが勝因です。教師が通信環境の悪い自宅から講義する形態が多い中、弊社はいち早くセブ島にオフィスを構え、光通信による安定したサービスを実現しました。教師は大卒が最低条件で、厳しい審査があります。競争率は10倍です」
筆者もラングリッチのレッスンを試してみたが、フィリピン人教師の発音の美しさには驚いた。アメリカ人教師となんら遜色はない。新村氏は言う。
「レッスンは朝5時から深夜1時まで可能なので、出勤前や帰宅後に受講する20~30代の男性が多いですね」
既存の通学型学校にとっては脅威といっていいだろう。日本人の英語学習スタイルが激変する日も近い!?