こんにちは、鈴木領一です。
夏のような陽気から真冬のような寒さへと寒暖差が激しい日が続いていますね。体調にはくれぐれもお気をつけください。
さて、今回は、前回に続き、ニセモノ講師の特徴の「その2」と「その3」の解説です。
まずは、その2「他人の話の引用が多い」です。
2.他人の話の引用が多い
情報には、「一次情報」と「二次情報」というものがあります。
「一次情報」とは、物事が起こっている現場や人物から得られる情報です。
「二次情報」とは、一次情報を得た人から聞いた、一次情報を報じた記事を読んだ、という情報です。
もっとわかりやすく言えば、一次情報は「直接聞いた話」であり、二次情報は「人からのまた聞きの話」です。
真実がどこにあるとかといえば、間違いなく一次情報です。
しかし、その一次情報でさえ、取材した人の感性や価値観によって情報にフィルターがかかり、重要な情報が抜け落ちている可能性もあります。
ましてや二次情報になると、伝言ゲームのように最初の情報からかなり偏向している可能性もあり、役に立たない情報になっている可能性もあります。
「有名な○○先生の話によると」「○○という本にはこう書いていた」などのように、二次情報だけを引用して話をする人には注意する必要があります。
なぜなら、自分で確かめていないからです。
一次情報を自ら取りに行き、そこで誰も見えなかった情報をどれだけ取れるか、それが本来の講師の能力です。
また、自分でビジネスをしたことがないのに、「ビジネススクールで教わった」「有名な○○先生から教わった」「○○という本で学んだ」というだけで、ビジネスの話をしている人もいます。
信じられないかもしれませんが、有名なビジネススクールでも、起業の経験のない人が起業の話をしていたりするのです。
コンサルタントやコーチの中にも、自分でビジネスをしたとがないのに「上から目線」で偉そうに指導する人もいます。
それらの人の話の中には、机上の空論や、実現不可能なアドバイスも含まれています。
私は情報を可能な限り現場に近いところで得るようにし、ビジネスも自分で体験することで、スクールや書籍などでは分からない微妙なニュアンスや裏技なども習得してきました。
私が一次情報を得るようにしていることは、プレジデント誌やビジネスジャーナルなどの私の記事を読んだことがある人はよくご存じでしょう。
(参考記事)超ハピネス企業、なぜ突然ブラック企業に転落
http://biz-journal.jp/2015/02/post_9038.html
ビジネスにおいても、内閣府や数多くの企業のビジネスをプロデュースをした経験から、現実的なビジネスの方法を習得してきています。
一次情報を得れば得るほど、二次情報がいかに嘘に満ちているかが分かるようになりました。
だから、「○○にはこう書かれていた」「○○先生がこう言っていた」とだけ言う人は全く信用できないのです。
しかし、世の中にはいかにそういう人が多いか、という事実も知ってください。
3.独自資格を与えたがる
「○○という認定を与えます」という触れ込みで、独自資格制度を作りながら、実際はほとんど資格の効果がないケースがあります。
資格は、その技術を実際に使ってこそ価値があります。
もちろん、現実的に役立つ「資格」は多いのですが、まったく役立たない資格も山ほどあります。
資格を与えたものの、実際に技術を使うのは「一緒に資格をとった仲間の間だけ」というケースも少なくありません。
そして、さらに上の資格を目指すように勧められ、高額の費用を支払って「上級資格」を取得するものの、現実に使うことはない、ということがあります。
受講者も、いわゆる資格ビジネスの中に取り込まれていることに気づかないのです。
ビジネスにおいて必要なのは「資格」ではなく、実際に行動し経験し考えることです。
いくら凄い資格を持っていても、実際に「行動」した人にはかないません。
これはビジネスだけではありません。
人生においても、本を読むだけで頭でっかちになっている人よりも、実際に経験し、そこから学んだ人の方が、より人生の意味を理解できるようになります。
「論語読みの論語知らず」という言葉があるように、いくら知識を知ったところで、それを使うことがなければ、結局、何も知らないのと同じなのです。
1%アクションを学んだ方には耳タコの話ですが、「些細な行動」を積み重ねた人は、時間がたてばたつほど誰も勝つことができない能力や結果を得ることになります。
多くの人が「些細な行動」を馬鹿にして行動せず、成功する人は「些細な行動」を馬鹿にせずに積み重ねるのです。
どんな凄い「資格」であっても、それが「行動」に置き換わるわけではないことを忘れないでください。
前々回からニセモノ講師というテーマで解説しましたが、これは講師だけの話ではありません。
人を見抜くとき、その人が重要と考えていることが何なのかを見極めることが大事なのです。
本物とニセモノを見抜く力を持てば、人生において無駄な時間を過ごすことがなくなるのですから。
鈴木領一拝