スティックシュガーの謎
では、スティックシュガーを思い出してください。
目の前にスティックシュガーがあるなら、あらためて見つめてください。
さて、そのスティックシュガー、なぜスティックに砂糖が入っているのでしょうか?
「それは・・・・」と、いつもの思考をしたのでは、いつもと同じ答えが出てくるだけです。
あたなの常識を、「全部嘘」と強制的に考えて、全く別のことを考えてみてください。
時間を3分あげますので、これまでと全く違う答えを出してみてください。
常識を疑うと、超ヒントが見える
さて、3分経ちました。どうでしょうか?
かなり苦戦したかもしれませんね。それだけ、あなたの常識はすごいパワーを持っているということです。
このテストを私はこれまで数え切れない人にしていますが、多くの回答は、
- 「持ち運びに便利だから」
- 「保存がきくから」
- 「使う分だけ使用できるから経済的」
という回答です。
多くの人がそう思っている、ということを示しています。
もちろん、これも正解の一つですが、もっと思考力を上げると、全く別のことが見えてくるのです。
では、そろそろ超ヒントを出しましょう。
スティックシュガーを実際に使っている場面を良く観察してください。
先ほどの回答に矛盾する事実を発見しませんか?
3番目の「使う分だけ使用できるから経済的」です。
スティックシュガーを半分だけ使って、後はそのままにして飲み終わる人がいます。
全員がスティックシュガーを全部使い切るわけではなく、一部を使わずに捨てる人がいる、という事実です。
これは、良し悪しの問題ではなく、現実にそのように人間が行動しているということに着目して欲しいのです。
その事実から、何が分かるでしょうか?
スティックシュガーは、使用する人の‘捨てる’という行動によって、余計に消費されている。ということです。
砂糖をスティックに納めることで、砂糖の消費量を増やしているのです。
スティックシュガーは、砂糖の消費量を増やすツールのようにも見えてきます。
事実、スティックシュガーが誕生した時期は1970年代のオイルショックの時で、砂糖の消費量が落ちて、砂糖業界は大変な苦境を迎えていました。
ところが、スティックシュガーの登場で、砂糖の消費量が増え始めたのです。
もちろん、スティックシュガーが便利なので消費量が増えたという側面もあります。
しかし、砂糖を捨てる、ということで消費量が拡大したことは間違いありません。
このスティックシュガーの事例から、ビジネスモデルのパターンを見つける人もいれば、エコについての新たな課題を見つける人もいるでしょう。
新しく発見したことをどう活かすかは、あなたの価値観に委ねられます。