消費増税、3月個人消費は前年3割増で年末並みの一方、消費マインド冷え込み鮮明

※本原稿は、Business Journal2014年4月18日号に掲載されました。

4月になり新しいスタートを切った方や、3月につらい別れを経験された方も多いだろうが、“お別れ”としての大きな出来事として、長寿テレビ番組『森田一義アワー笑っていいとも!』の最終回が挙げられるだろう。1982年10月4日に放送が始まり、生放送で32年間8054回というギネス登録された番組であり、3月31日の最終回当日には新聞の号外が出るほど日本国民が別れを惜しんだ。司会のタモリさんは鉄道好きで知られるが、全国各地を鉄道旅行されるのかもしれない。

さて、旅行といえば、今月下旬からゴールデンウィークが始まる。上手に休暇を取れば10日以上の連休を取ることもできるため、海外旅行に出かける方も多いのではないだろうか。

冷え込む消費マインド

そこで、インターネット調査会社・マクロミルが定点観測している「MACROMILL WEEKLY INDEX」のデータから、現在の消費マインドをみてみよう。

「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「使ったお金」>「個人消費額」をみると、3月最終週が特異な数値を示している。3月最終週の平均個人消費金額が前年同期を4600円も上回る1万9800円となり、一年で最も高い消費の山である年末年始並みになったのだ。

これは明らかに増税前の駆け込み需要の影響であるが、「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「消費予想」(過去1カ月間と比較した、今後1カ月の個人消費量の変化)をみれば、昨年同時期よりも8ポイントも低く、過去1年間で最低値を記録している。

3月最終週に年間最高の消費を記録する一方、その後しばらくの間の消費意欲は失われているのだ。さら「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「買う予定のもの」>「国内旅行」をみると、4月第一週は3月第三週よりも3ポイントも下がっており、過去1年で最も低い数値を記録した。暖かくなった春に旅行気分が落ち込むという特異な状況になっている。

これらのデータをみる限り、消費増税の影響は大きく、消費マインドだけでなく旅行意欲にも影響を与えていることがわかる。

しかし、消費者の“気分”は変わりやすいものである。「MACROMILL WEEKLY INDEX」の「買う予定のもの」>「国内旅行」の4月第二週では、4月第一週よりも1.2ポイント上がり、今年に入り最も大きな伸びを示した。ゴールデンウィークを前に、急速に旅行意欲が回復してきているようだ。

また、羽田空港では3月に国際線長距離路線の昼間発着枠がスタートし、国際線発着枠が年間6万回から9万回となる。さらにLCC(格安航空会社)も増加し、ピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、バニラエアに加え、春秋航空出資の春秋航空日本も5月末に成田拠点で就航予定だ。旅行意欲を後押しする環境整備が着々と整っているのも、今年の大きなトピックと言っていい。

不景気な年のゴールデンウィークは、いわゆる「安・近・短」という「安くて」「近くて」「短い」旅行をする人が多かった。旅行市場の動向は景気動向を読む一つの物差しとなるが、今年のゴールデンウィークが「安・近・短」となるのか、それとも「高・遠・長」となるかで、日本経済が本当に回復してきているのかどうかがうかがえるだろう。

 

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