あなたは成功の迷信を信じている?

桜の季節ですね。関東では散り始めておりますが、東北や北海道ではこれからが見頃でしょうか。

さて、前回のメルマガで「ニセモノ講師」の見分け方を3つご紹介しました。

 人生を奪う、「ニセモノの講師」とは
https://suzuryou.com/?p=1414

反響が大きく、ご質問も多くいただきましたので、今回はその中の一つを詳しく解説します。

1.100%、必ず、絶対に、を多用する

これはよく見かけるキーワードですね。

ビジネス書のタイトルにもよく見かけます。

ビジネスにおいては「100%」とか、「必ず」とか、「絶対に」ということはあり得ません。

ビジネスだけでなく、人生においてもあり得ないでしょう。

もし、このキーワードを多用する人がいたら、非常に危険ですので気をつけてください。

もちろん、例外があります。

「何もしなければ100%何も起こらない」

というネガティブな意味での「100%」「必ず」「絶対に」です。

しかしポジティブな意味での、いわゆる「成功」に関しては、「100%」とかのキーワードは成り立ちません。

たとえ成功者であっても、成功者が語る「成功ノウハウ」は、その人だけに通用したノウハウであり、その人の“環境”や“境遇”“タイミング”“時流”“運”などの様々な要因が組み合わさった結果であり、他人が「100%」同じように再現することは不可能です。

連戦連勝に見える成功者であっても、実際はかなりの頻度で失敗を繰り返しています。

中には「過去の成功体験」にこだわって大きな失敗をしてしまうケースも少なくありません。

ビジネスに真剣に向かい合う人は、「やってみなければ分からない」という思考がベースにあり、「やりながら様々な方法を試してみる」という戦術をとっています。

うまくいかなくなったら別の方法を試す、ということを何度も何度も繰り返すのです。

したがって、案件ごと、プロジェクトごとに、取り組み方は異なり、成功のパターンも異なります。

しかし多くの成功者が泥臭く試行錯誤した経過を話したがらないため、まるで成功者が同じ方法で次々に成功しているように見えます。

さらにやっかいなことに、成功者自身が、「自分は成功するための絶対的な法則を知っている」と勘違いしているケースも多くあります。

ビジネス書で書かれている成功本の多くがそうであり、明らかな”勘違い“をそのまま活字にしています。

ビジネスで成功した人といえども、客観的な分析を専門にしているわけでないため、自分の感覚や思い込みで言うことが多いのです。

「名選手必ずしも名監督にあらず」

という言葉があるように、プレーヤーとして優秀でも、どうすれば勝てるのかというロジックを客観的にくみ上げる能力は別なのです。

野球のケースで、このような話があります。

かつてバッティングのコツとして、「上から叩きつけるようにスイングしろ」というものがありました。

バットを上から下に振り下ろすようなスイングです。上から地面と叩くような打ち方と考えてください。

私も子供の頃、よく聞いたものです。

しかし、今では、球筋に対して水平にレベルスイングするように、という指導法になっています。

ボールが飛んでくる方向と同じ方向にバットを振る打ち方です。

理屈で考えればその通りです。上から叩きつけようなスイングでは、ボールに当たる確率は低く、逆にボールの球筋に水平にスイングすれば、当たる確率は高くなります。

なぜ間違った方法が長く信じられたいたのでしょうか。

これは元ネタがあったのです。

世界のホームラン王として知られる王貞治氏が現役時代に、自分の癖であった「アッパースイング」(下から上に振り上げるスイング)を修正するために、監督から「上から叩きつけるようにスイングしろ」と指導され、癖を矯正したというのです。

その結果、スイングがレベルスイング(水平)になり、ホームランを量産するようになりました。

この話から「上から叩きつけるスイング」神話が始まったのです。

理屈で考えればオカシイことは明白なのに、王選手がやっていたから、という理由だけで思考停止になったのです。

このような現象はビジネスの世界でも多いのです。

「○○さんが言っていたから」という理由だけで、「○○という方法が絶対だ」と思い込み、思考停止しています。

ポジティブ思考が絶対だ、感謝することで運が良くなる、人の倍働けば良い、等々、自分で試してもいないのに誰かが言っているからというだけで信じていませんか?

「100%」「必ず」「絶対」というノウハウを信じている人は、うまくいかなくなると、他に「100%」「必ず」「絶対」なノウハウがあるのではないかと探し始めます。

それを永遠に繰り返すことになるのです。

この人間の習性を知っているニセモノ講師は、「100%」「必ず」「絶対」というキーワードを使って人を惑わし、自分の利益を優先するのです。

拙著「100の結果を引き寄せる1%アクション」でも書きましたように、誰もが信じている常識であっても「嘘かもしれない」という思考法で、自分なりの思考を身につけてください。

そして、成功に最も近い方法は、「そんな些細なこと」というほど馬鹿馬鹿しいほど小さなことにあることも知ってください。

人が馬鹿にするようなことに真実がある、ものなのです。

次回は、さらにあと2つの「迷信」について解説します。

鈴木領一拝

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