人気放送作家・野呂エイシロウ氏秘伝「やめる技術」とは?

※本原稿は、Business Journal 2013年1月10日号に掲載されました。

売れっ子放送作家の野呂エイシロウ氏は、ビートたけしがプロデュースしていたテレビ番組『たけしの元気が出るテレビ』で放送作家デビューし、その後、次々にヒット番組を生み出している。

 今回は、そんな野呂氏独特の成功のアイデアを、開示。また、フレームを変化させ発想する“秘密の技”も語ってもらった。


鈴木 今日は、野呂さんの新刊『毎日○×チェックするだけ! なぜかお金が貯まる手帳術』(集英社)の記念すべき発売日なんですよね【※本対談は2012年11月26日に収録】。

野呂 そう、それで、さっき有楽町の丸善書店さんを見てきたら、感動しました。なんと光栄なことに、僕の本が金子哲雄さんの本の横に並んで置かれていたんです。

鈴木 『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(小学館)ですね。

野呂 そうです。金子さんには生前、お世話になって……。そういえば、鈴木さんが僕の本を入手されたのは、金子さんの49日のときでしたよね?

鈴木 そうなんです。僕も金子さんとは友達だったので49日の会食に行ったのですが、そこでたまたま隣に座った方が集英社の編集者だと言われるので、「あれ、じゃあ野呂さんのこと御存知ですか?」と尋ねたら、「野呂さんは私の担当ですよ」って。

それで、著者である野呂さんよりも早く、刷り上がったばかりの『なぜかお金が貯まる手帳術』を頂いたという経緯があります(笑)。

野呂 すごい偶然でしたね。

鈴木 野呂さんとの最初の出会いも……野呂さんは覚えていらっしゃいます?

野呂 ミクシィでしたっけ?

鈴木 いえ、アメーバブログを通じて、僕が「ぜひお会いしたい」とメールをお送りしたんです。それでスタバでお会いして、4時間くらいお話をして、「すごい面白い人だな」と思ったんですね。で、「本を出しましょう」と。それが出会いのきっかけだったんです。

野呂 そうでしたね、もう何年経ちますかね……7、8年くらいでしょうか。

鈴木 そこから僕が野呂さんの初めての本を担当させて頂いて。

野呂 その節はありがとうございました。

鈴木 いえいえ、それで、野呂さんはその後もずっと本を出し続けられていて、すごいですよね。今、7冊目ですか? その前の、フォレスト出版から出された『終わらす技術』もすごく良い本で。

野呂 『終わらす技術』も、鈴木さんからご紹介頂いた方とお茶を飲んでいたら、「12月空いてない? クリスマスパーティをやるから来てくれ」と言われて、よくよく話を聞いたら、「パーティじゃなくて、セミナーじゃんかよ」って(笑)。

で、そのパーティに行ったら、フォレスト出版の方がいらしゃっていて、それが縁で本を出すことになったんです。

鈴木 野呂さんはそこで講演を依頼されたんですよね?

野呂 そうです。あまり深く考えずに行ったら、70〜80人いるパーティで、しかも他の人たちがすごく堅い話をしていて、「やっべー」とか思いながら(笑)、その場でパパっと考えた話をしたら、その後にフォレスト出版の方が来られて、「今された話を本にしませんか?」と言われて。

「いやいや、録音とかもしていないし」と断ったら、「たぶん、どこかで録音しているはずですよ」と言われて、実際、そうだったんです。

鈴木 結構、不思議な縁があるんでしょうね。

野呂 そうですね。ちなみに、僕の初恋の人も「鈴木さん」でしたよ(笑)。

鈴木 それじゃあ、僕の親戚かもしれませんね(笑)。その講演も聴かせて頂きましたけれど、一番印象的だったのは、「思ったことは実現するんですよ」というくだりなんです。

野呂 要するに、みんな、世の中のことは思い通りにならない、と思ってるんですよね。だけど、電車に乗ればきちんと時間通りにここに来れるし、水野さんに電話をしようとしたのに、携帯電話が間違えて鈴木さんにかけちゃった、なんてことも絶対ないし、自販機でジュースを買えば、ちゃんと頼んだ飲み物が出てきておつりもきっちり出てくるし……僕らは自分の力で好きなことができるし、ある程度、自分の予想通りのようになる。

少なくとも、僕はそう思っていて、言い換えれば、まずは“思う”ということが大事かなと。宝くじだって、「当たらないかな」と思っているだけでは当たらないですよね。

まずは、宝くじを買わないと。お金だって、「お金を稼ごう」と思うから実現するんであって、街を歩いていて通りすがりの人が「はい、100万円」ってくれることなんてないですもんね?

鈴木 そうですね。それでどうアクションを起こしていくかなんですが、野呂さんが講演や本で言われていることって、領収書やレシートをもらった全部ノートに貼ろうとか、すごく簡単なことじゃないですか。

でも、その簡単なことを積み重ねていくと、全然違う結果になるんだ、と。

僕も今回の本でタイトルにもある「1%アクション」というのを提言していて、それはほんのちょっとの積み重ねから成功が生まれる、という趣旨なんです。そこで、野呂さんのお話に非常に共感を覚えました。

野呂 確かにそうですよね。例えば、エベレストに登りたいなぁと思っても、まずはカトマンズへ行って、1歩踏み出さないと何も始まらないと思うんですよ。

そういう意味では一緒かなぁ、と。何かアクションを起こさないと……逆に言えば、アクションって起こしたもの勝ちなんですよね。何かアクションをした時に、たとえば周りで「ズルい」とか「それ、知ってたよ」と言う人がいるけれど、じゃあ、知っていながら、それを実行に移したのか、と。

鈴木 誰かがやった後には言うんですよね、人って。「あぁ、知ってた」「わかってたけど」とか。

野呂 原宿でパンケーキが流行れば、「俺だってパンケーキ屋なんて、やろうと思えばやれたよ」とかね。「じゃあ、やれよ」と(笑)。

でも、それはやったお店だけが儲かるわけで。考えることはある程度誰でもできると思うんですね。そこから、小さなことでもいいから、とにかく行動に移す。それが大事かなと思いますね。

鈴木 それから、『終わらす技術』と、新刊である『なぜかお金が貯まる手帳術』の2冊に共通するテーマが、“何かを終わらせること”“やめる”ですよね?

たとえば、お金も、ただ漠然と毎日コンビニに行っていたら散財してしまうけれど、コンビニへ行くのを止めることで変わっていくというくだりなどは、なるほどと思いました。

野呂 いろんなことを止めると、やるべきことが見やすくなるんですね。おそらくそれが、今のアップルとかにもつながっていると思うんですよ。

鈴木 ほう?

野呂 僕らの身の回りのものって、スイッチだらけでよくわからくなくて、選択肢ばかりが多いじゃないですか。でも、アップル製品って単純でシンプルで、だからこそ本質的なものが見えてきますよね?

だから、一度いろいろなものをそぎ落として、“自分はそもそも何をするんだっけ?”ということを見なおしたほうがいいと思うんです。

だって、「コンビニ行ったら、ついわけがわからなくなっちゃって、いろいろ買っちゃった」っていう人、結構いるでしょう? 「別に欲しくはなかったんだけど、なんか面白そうだから買っちゃった」って。

そりゃ、マーケティングのプロが考えて売ってるんだから、売れるようにできていて当然なんですよね。だからそれは、「まんまと買わされちゃったね」という感じなんです。でも、そういうのって、やめようと思えばやめられるものですよね?

ゴチャゴチャしていると、やっぱり見えづらくなるんですよ。だから、なんでもそうなんですけど、整理整頓していくと、スッキリしていくはずなんです。

野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)

放送作家、戦略的PRコンサルタント。学生時代からマーケティングに従事。テレビ番組の構成をしつつ、CM制作やPR活動にもかかわるようになり、外資系・大手企業を中心に80社以上のコンサルティングを行う。

マスコミ側からの視点で斬新なアイデアを提案、数多くの業界世界一企業のコンサルティングで実績を残す。Twitter、Facebookを通じてコンサルタントや講演を依頼されることも多い。著書に『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)、『終わらす技術』(フォレスト出版)などがある。詳しいプロフィールはこちら。

【関連情報】

野呂エイシロウ公式サイト

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